はじめに
私がリクガメ飼育を始めるにあたって、本やインターネットを使って集めた情報をまとめました。リクガメは寿命も長いことから、慎重に情報を集めました。
必要な環境
リクガメは日本よりも暖かい場所に住んでいる生き物です。人間や哺乳類と違って変温動物なので、環境温度の影響が非常に大きい種です。なので、暖かい環境でしか生きることができません。そのため、温度管理は非常に重要になります。寒すぎると死んでしまいます。
また、湿度も重要なパラメーターです。種によっては、湿度をコントロールしてあげないと体調を崩してしまう種類がいます。
もう一つ重要な要素は光です。リクガメの甲羅はカルシウムで出来ています。そのためにカルシウムを摂取する必要があります。その摂取の際にビタミンD3を必要とします。食事からもビタミンD3を摂取することもできるのですが、基本的には紫外線(UV-B)を甲羅に浴びることで生成しています。そのためリクガメには光が必要になります。まるでサンゴや水草と同じ様で少し不思議な感じがしますね。
またリクガメは1日に長い距離を歩く生き物です。自然界では1日で数キロを移動しているといわれています。そのため、運動できるようなスペースを作ってあげる必要があります。
リクガメにとって重要な要素は以下の4つになります。
- 温度
- 湿度
- 光
- 広さ
リクガメの住んでいる地域についての情報はこちらも参照してみてください。
必要な設備
上に書いた環境を再現してあげるために必要な設備を以下に並べました。
- 飼育ケージ
- メインヒーター
- 補助ヒーター
- サーモスタット
- 床材
- 温湿度計
- 隠れ家(シェルター)
- 餌場、水飲み場
飼育ケージ
リクガメが運動不足にならないように、できるだけ広いスペースの物が望ましいとされています。といっても、日本の狭い部屋では大きなケージは用意できないかもしれません。そのため、最低60cm以上、できれば90cm以上が望ましいとされています。
また、水槽はできれば避けたほうが良いです。理由は、リクガメは上空に動くものがあるとストレスを感じてしまうためです。リクガメの天敵の一つに鳥がいます。人間の手を上から差し伸べると猛禽類(タカなど)が襲ってきたと感じてしまうようです。爬虫類全般にその傾向があるようで、爬虫類のケージは横がスライドして開くようになっています。リクガメは頭がよく、目がよく見えるので横からであれば人間の手だと認識することができるのでストレスを感じません。
メインヒーター
リクガメのメインヒーターは、ケージ内全体を温める役割を持ったヒーターです。温度が低くなりすぎると、病気になったり最悪の場合は死んでしまうため、このヒーターの役割は非常に重要です。空間を温めてあげる必要があります。大きく分けると、パネルタイプと球タイプに分けることができます。どちらも赤外線を出しており、少し離れている地点でもリクガメを温めることができます。
パネルヒーター
パネルヒーターの特徴は面で温められる点が特徴です。ヒーターが平らな形状をしているため、面全体で温めることができます。こう聞くと大変優れているように思うのですが、面全体に暖かさが分散されてしまうため、寒い日には温めきれない可能性があります。
保温球
1点に暖かさが集中しているタイプのヒーターです。パネルヒーターは温度設定次第では、触れるくらいの熱さ(触らないくださいね!)ですが、こちらは触ったら確実に火傷をするほど熱いです。熱湯より熱いので危険度が高いです。そのためにカバーがつけられたりと工夫がなされています。1点集中タイプなので、寒い日でも保温球の周りを確実に暖かくすることができます。
補助ヒーター
補助ヒーターはバスキングライトともいわれます。リクガメは一時的に体をポカポカにしたくなる時があります。例えば、ご飯を食べた後に消化するとき等です。そのため、少し熱いくらいの環境を用意してあげる必要があります。
この補助ヒーターは無しで飼育されている方もいらっしゃいます。私の場合は、少し変則的で、パネルヒーターをメインヒーターとして設置し、保温球を補助ヒーター代わりにしています。本来のバスキングライトはスポットで暖かくするための物なので、暖かい場所が限定されるのですがパネルヒーターのみでは120cmのケージを保温することが出来なかったため、保温球をバスキングライト代わりにしています。
サーモスタット
サーモスタットは温度を管理する装置のことを言います。ヒーターは暖かくするだけの器具なので、サーモスタットがないと、どこまでも熱を出し続けてしまいます。高機能なヒーターの場合はヒーターとサーモスタットが一体型になっているものもあります。温度設定が出来て、ある温度になったらヒーターを止めてくれる機能をもった器具がサーモスタットになります。
床材
床材は非常に重要な要素の一つです。管理のしやすさが床材の影響を大きく受けるためです。
湿度管理の難易度が床材の種類によって大きく変わります。湿度は空気中の水分の量なので水を空気中に撒いてあげる必要があるのですが、なかなか安定させることが難しいです。そのため床材に水分を吸収させて少しずつ空気中に放出してもらう必要があります。
また、リクガメに餌をあげた時に床材が餌に引っ付いてしまうことがあります。この時にリクガメは餌と一緒に床材を食べてしまうことがあります。この餌への床材の付着を完全に取り除くことは不可能に近いため、食べても大丈夫そうな材質を選ぶ必要があります。
糞処理も床材の種類によって大きく処理のしやすさが大きく違います。リクガメはケージ内のあらゆるところで糞をするため、その部分の糞と汚れた床材のみを取り除けるタイプがお勧めです。
代表的な床材を以下に挙げてみました。
- バーク(木片)
- 赤玉土
- ヤシガラ
- 砂
- クルミ殻
温湿度計
これは飼育者が温度と湿度がおかしな値になっていないかをチェックするためのものです。アナログタイプとデジタルタイプがあります。どちらでも精度が出ていれば問題ないと思います。
隠れ家(シェルター)
リクガメは天敵から身を守るために、基本的にはどこかのシェルターに入って生活しています。なので、ケージ内でも隠れられる場所を用意してあげる必要があります。これはリクガメが入れれば特にどんなものでも構いませんので、デザインで選べばよいと思います。
餌場、水飲み場
日々の管理のしやすさに関わります。また、リクガメは甲羅があるため段差を登ることが得意ではありません。少しの段差があるだけで、うまく登れなかったりします。なので平べったいものが理想的なのですが、あまりに平べったいと水は当然流れ出てしまいますし、餌も散乱してしまいます。
そのため、結構悩みが多いのが餌場や水飲み場のケースになります。私の場合はステンレスタイプで、棒の隙間から顔を入れて食べるタイプの餌やり場を使っています。
水飲み場は悩みましたが、体ごと入れるタイプの大きめの物を使っています。小さめの物でも問題なさそうなのですが、たまに体ごと水浴びをしている時があるため、こちらのほうがよいのかな?と思って大きなタイプを使っています。
まとめ
リクガメの飼育環境についてまとめてみました。リクガメの飼育はちゃんと棲息地の環境を理解して再現するための設備を用意してあげることが出来れば、難しくはありません。もちろん頻繁な管理が必要な難しい種類もいますが、メジャーな種類は飼育することが出来ると思います。
リクガメは記憶力もよいので飼い主を覚えてくれ、近づいてきてくれたりする非常にかわいい生き物です。またケージ内で飼育でき、散歩も不要である点も飼育しやすい点だと思います。散歩をさせてあげられればベストですが、なくても特に問題はありません。
リクガメに興味のある方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
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