寒すぎる我が家
1年半程前に引っ越しを終えた我が家。以前は夏暑くて冬暖かいお家でしたが、引っ越し先のお家は夏涼しくて冬極寒なお家になりました。
私達人間ももちろん寒いですが、熱帯地域でもともと暮らしているリクガメさんにとっては、寒いどころの話ではないでしょう。実際、カメさんは部屋の温度がぐっと落ちてしまった日はヒーターや暖突が入っているエリアからあまり動かず、餌を食べる量も減ってしまう状況が続いていました。また、周辺気温が低いと飼育水槽内の温度が下がり続けるため、ヒーターは稼働しっぱなし、電気代は上がりっぱなしというお財布にも痛い状況に追い込まれていました。
電気代はともかくとしても、カメさんの活動の様子が大きく変化してしまうのは良くないねと夫と話していたのですが、そこで「温める熱量を高めるのではなく、断熱して熱が逃げないようにしてはどうか」との結論に至りました。
「そんなの当たり前やないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが(笑)、ものすごく簡単かつローコストで、カメさんの飼育環境の改善に成功したので、今回はそのことについて書いていこうと思います。
今回行った断熱方法
実行した断熱方法は非常にシンプルなものです。それは
断熱材で、ケース内の温度を逃がさないようにする
というもの。
使用したのは「ブルースタイロフォーム」という名前で売られている板状の断熱材。昨今はDIYも当たり前な時代になってきたことで、建築資材の入手難易度が下がり、ホームセンターなどで普通に売られています。模型やジオラマ作りに使う方もいるようです。とても大きいサイズでしか売られていなかったりするので、「車に入らないよ!」という方はネットでも買えます。お店によりますが、大きさや厚みが何種類かありますので、ご自身の用途に合ったものを選ぶことができます。
我が家では厚み15mmのものを使用して
こんな感じでカットしてケースの上に乗せました。
ここはもともと天板が無い部分だったので、これを乗せるまでは上側全開放状態でした。
暖かい空気は上へ上へと上がっていってしまうので…せっかくのハロゲンライトや水飲み場、餌場があるにも関わらず、カメさんは暖突と底面ヒーターのあるポカポカエリアからほとんど動かずに寒い季節を乗り切っていました。
当然、餌や水もあまり飲みませんし、日光浴も短時間で済ませてそそくさと暖かい場所に行き、ほとんど動かずに過ごす日々…。これはあまり健康的とは言えない状況だったと思います。
今回この断熱仕様天井を作ってあげたことで暖かな空気でケース内が満たされ、カメさんも寒い日でも活発に動き回るようになりました。メンテナンスの際に中に手を入れると「わ、あったかい!」と人間でも感じるくらいなので、効果は抜群だと思います。
また、地味に痛かったヒーターの稼働量も下がり、お財布的にも嬉しい効果を発揮してくれました。
色がなかなか派手なので見た目がちょっと浮いてしまうのが難点ですが(笑)、断熱の効果はばっちりでとても気に入っています。
スタイロフォームとは
今回使用したスタイロフォームとは、ポリスチレン(スチレンモノマーを重合して作られるプラスチック)を素材とした発泡スチロール製品の一種で、特に断熱材として広く使用されています。「スタイロフォーム」はアメリカのダウ・ケミカル社が商標登録している製品名ですが、日本では一般的に押出発泡ポリスチレンを指す言葉として使われることが多いです。
押出発泡ポリスチレンって何?
押出発泡ポリスチレン(XPS)は、ポリスチレン樹脂を高温で溶かし、発泡剤を加えた後に押出成形して作られる硬質発泡プラスチックの一種です。質感としては固くて強い発泡スチロールのような感じです。
発泡が押出成形で行われるため、細かい気泡が製品内に均一に分布していて、この均質性が断熱性や強度に優れた特性を発揮します。また、発泡スチロール同様、内部に空気を含んでいるので、とても軽量。天井に届くような大きなのものであっても、女性一人で容易に持ち運びが可能です。
また、カッターなどでの切断が簡単で、加工のしやすさもメリットであると言えます。
発泡スチロールとの違いは?
スタイロフォームがポチスチレンを高温で溶かしてから押出成形するのに対し、発泡スチロールは小さなポリスチレンビーズを蒸気で膨張させ、互いに接着して形成されます。内部構造はビーズが連結したような形状で、隙間が多くなります。
特性 | スタイロフォーム | 発泡スチロール |
---|---|---|
内部構造 | 細かい気泡が均一で密度が高い | ビーズが接着された構造 |
断熱性 | 高い断熱性能を持つ | スタイロフォームほど高くない |
耐水性 | 非常に高い(吸水しにくい) | 比較的吸水しやすい |
強度 | 圧縮強度が高い | スタイロフォームより弱い |
軽量性 | 比較的軽量だが発泡スチロールより重い | 非常に軽い |
加工性 | 切断や加工が容易 | スタイロフォームより加工が簡単 |
このように同じ材料から作られていても、製造方法によって製品の特性に大きな違いがあります。
「断熱」という意味合いで使いたいのなら、やはりスタイロフォームを選ぶ方が効果が高いと思います。
冬でも元気になりました
さて、こんな感じで夫がいろいろと調べて買ってきてくれた断熱材を使用することで、ローコストかつ簡単にカメさんのお家を暖かく保ってあげることができるようになりました。ケース内の温度の変化が少なく、ヒーターなどの稼働率もぐっと下がったので、本当にやってよかったなと思います。
カメさん自身も見違えるほど元気になり、朝の寒い時間でも「ごはんー!!」とヒーターのないエリアに出てくるようになりました。餌の消費量もしっかりとキープできているので、かなり体調は良いのではと思います。もっと早く対策してあげればよかったです。ごめんね、カメさん。
あまりの断熱効果にカメさんケースの後ろにあった窓と、最近は私達家族が過ごすリビングの大きな窓にも厚めのスタイロフォームをはめ込んでます。
冬のエアコンの効きが一気に良くなりました。
派手派手ブルーでも気にしない!という方はぜひお試しを…(笑)
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