【お魚実態紹介シリーズ】ヤッコ混泳術、ポッターズピグミーエンゼル【アクアリストの妻目線】

実態紹介シリーズ:ポッターズピグミーエンゼルフィッシュ

今回はちょっと喧嘩っ早いけど可愛い、ポッターズピグミーエンゼルについてご紹介します!
このシリーズは、図鑑では知ることのできないお魚たちの実際の生活状況をご紹介する内容となっています。

比較的性格は大人しめだと紹介されていることも多いポッターズですが、実際に飼育したからこそわかるポッターズの真の姿は、図鑑に載っている内容とは少し違ったものでした。特にヤッコ同士の混泳については、ポッターズの行動から学んだことも多く、とても勉強になりました。もちろん、魚には個体差もありますので全てのお魚が我が家と同じ状態になるとは限りませんが、「たくさんのヤッコを同時飼育したい」とお考えの方には参考なる記事になっているかなと思います。

我が家のヤッコ飼育歴史上最強を誇ったヤッコについてもご紹介していますので、ぜひお楽しみください!

 

可愛い顔にご用心!ポッターズ

今回はちょっと喧嘩っ早いけど可愛い、ポッターズピグミーエンゼルについてご紹介します!

夫が最初に始めた30cmの海水水槽の第2軍目のお魚として迎えたヤッコです。その時も何匹かの小型ヤッコ達と一緒に入れたのですが、小型ヤッコの中では1、2を争う気の強さだったのを今でもよく覚えています。

見た目はオレンジっぽい頭部分と、少し模様が入った紫のような色の体がとても綺麗なお魚です。パッと明るい色というわけではないですが、同じような色のお魚があまりいないので、水槽内を泳いでいる姿は良い意味で目立ちます。比較的行動的というか、いろんなところを泳ぎ回っているので、いつでも姿を見かけることができます。

なぜか我が家のポッターズはカメラ好きで、レンズを構えていると寄ってきます笑。可愛い奴め…。こんな写真も撮れちゃいました。

 

我が家のポッターズについて

PasyaPasya
ここで、我が家のポッターズピグミーエンゼルについてご紹介させて頂きます!
Profile
  • 日本名:ポッターズピグミーエンゼル
  • 英名:Potter’s angelfish,Russet angelfish
  • 学名:Centropyge potteri
  • 我が家での愛称:パンプキン(色合いがハロウィンっぽかったから)
  • 我が家にやってきた日:2016年12月29日
  • 購入時の体長:5cm(現在は約8cm)

小さい水槽にいる間はそこまで大きい印象は無かったですが、現在の150cm水槽にお引越ししてからぐんぐん大きくなりました。餌も積極的に食べているため、太さがあってどっしりとした体格をしています。

ポッターズの「パンプキン」をお迎えしたときは、その他に3種類ほどの小型ヤッコを一緒に迎えましたが、現在まで元気に生き残ってくれているのは彼だけです。そう考えると我が家の水槽の中では、パンプキンもなかなかの古株のようです。

来た当初のパンプキンです。

 

ポッターズは大人しい?

ネット記事を見ていると、ポッターズに関する内容では「比較的大人しい性格」というのをよく見かけます。我が家のポッターズ「パンプキン」を見ていると、そんな風には…残念ながら感じられません(涙)。

基本的にヤッコ類は縄張り意識が非常に強く、ヤッコ同士の混泳は難しいのが現状です。最終的な大きさに雲泥の差がある場合(例えばクイーンエンゼルとポッターズなど)はお互い喧嘩を仕掛けることも、寝床を争うこともしませんが、同じくらいの大きさになると必ずと言っていいほど喧嘩が起きます。我が家の水槽内でも幾度となくバトルが繰り返されてきました。

ポッターズは相手の方が体格が大きい場合は追いかけられてしまうこともあるようですが、我が家のポッターズはちょっと体格大きめのマルチカラーエンゼルやかなり大きいイナズマヤッコともバトっていたので…うちの子は例外なのかもしれません。

 

とにかくしつこいパンプキンの攻撃

我が家のヤッコ達の中でも特に怒りっぽく、新入りのヤッコ達に対して常に牙をむき出しにするのがパンプキン。追いかけるだけでなく、相手の尾ヒレに噛みつくので、攻撃されたお魚はヒレがボロボロになってしまうこともしばしば…。

特に厄介なのがそのしつこさ!同じヤッコでも種類によっては、自分の縄張りにさえ来なければ相手に攻撃はしない子や、少し遠くへ追いやるだけで相手をしつこく追い掛け回すことのない子もいますが、パンプキンは別。まさに水槽の果てまで追い掛け回し、噛みつきまくります。

相手の魚がダントツに大きければそんなことはしないかもしれませんが、ちょっと大きいくらいだと「先手必勝っ!」とばかりに目についた途端から攻撃し始めます。相手の魚は水槽内の地図がわからない状態で追い掛け回されるので、水槽の端に逃げるしかありません。

何より今のパンプキンは体長・体格共にかなり立派な体をしているので…。この先新しい子(特にヤッコ)を入れるのは難しいかもしれませんね。悲しい…。

 

歴代最強だった ルリヤッコ「マダム」

我が家のポッターズ「パンプキン」は気性が荒い!と書きまくってきましたが、実は彼の気性の粗さはまだかわいいものなんです。

残念ながら上には上がいるというもの。今はいろいろあっていなくなってしまいましたが、我が家の海水水槽歴の中で最強を誇ったヤッコがいます。

その名も「マダム」ルリヤッコです。

この子がとにかくすごかった…。自分以外のヤッコは全員蹴散らしてしまう、まさにモンスターでした。このヤッコに追いかけられたことが原因で隔離した魚が何匹いたことやら。体も比較的大きめで、現役中は病気になることもほぼなかったので、この子に勝てるヤッコは我が家の水槽歴の中では誰一人いなかったのではと思います。


ルリヤッコ

ただ、このルリヤッコに追いかけられることなく、むしろ子分的な感じでついて回っていたのが「パンプキン」でした。彼の闘争心の高さと、攻撃のしつこさは「マダム」譲りなところがあるのかもしれません。

 

それでもヤッコ達の混泳をしたい

前述したように、一般的に「ヤッコ」と呼ばれる魚は縄張り意識が非常に強く、混泳すると喧嘩が起きてしまうことは避けられません。中には性格の大人しい子もいますが、基本的にはどのヤッコも自分のテリトリーを守るのに必死です。ですから「基本的には混泳はNG」と書いて売られていることも少なくありません。

でもヤッコ入れたいじゃないですか…。できれば数種類。うちの夫もこのことにかなり悩んでいました。まぁ、その頃は最強ヤッコ「マダム」もいて、今よりも数倍大変だったのですが…笑。いろいろと試行錯誤した結果、現在我が家の水槽には大きいものから小さいものまで合わせて6匹のヤッコ達が仲良く暮らしています。

ということで、いきなりですが我が家流「ヤッコ達の混泳のコツ」をお伝えしようと思います!

PasyaPasya
あくまで素人の工夫術なので、参考程度にしてくださいね!

 

気の強いとされているヤッコは最後に入れる

我が家でいえばポッターズエンゼルフィッシュやルリヤッコなどが該当しますが、ネットで調べて頂ければ比較的気の強い魚であるかどうかはすぐにわかると思います。生体を取り扱っているお店の方に聞いてみてもいいかもしれません。

ヤッコ達を数種類入れたい場合は、まず気の優しい種類から入れます。優しい子たちはあまり喧嘩をしないので、複数種類同時に入れても大丈夫です。我が家でいうとシマヤッコ・マルチカラーエンゼルがこれに該当しました。1週間ほど経過すると水槽内の地図を覚え、それぞれの寝床が確保されてきます。その状態をしっかりと作ってから気の強い子を一匹投入します。

気の強い子からすれば「場所がわからない&追いかけたい奴がたくさんいる」状態になるので、攻撃態勢を取り続けるのが困難になります。寝床も探さないといけませんから、追いかけている場合ではなくなってきます。この状態になってくれれば、時間が経つにつれて折り合いがつき、次第に仲良く混泳し始めます。

順番を優しい子→気の強い子にすること。優しい子は複数、気の強い子は1匹になるようにして、数に差をつけておくのも重要なポイントだと思います。

 

寝床やテリトリーになりそうな場所をたくさん作る

ヤッコ達を飼育するうえで重要になってくるのが「寝床問題」。ヤッコ達は水槽の下の方でじっとして眠りますが、明かりが届く場所や他の魚と一緒になって眠ることはあまりありません。それぞれのための個室になり得る場所をたくさん作ってあげることで、全てのヤッコ達が安心して眠ることができます。

我が家の水槽内にも、表から見えない場所に大小さまざまな塩ビ管を入れ、複雑な形の集合住宅ができあがるようにしています。新しいお魚を入れるときにも寝床の数は足りているのか、必ず確認するようにしています。

魚は安心して眠れる場所がないと、目に見えて弱ってきてしまうことがほとんどです。ヤッコ達が争ってしまうのも、隠れ場所や寝床があれば解決することも多いので、なるべくたくさんの隠れ場所や寝床を確保することは重要だと思います。

 

いつでも隔離できる体制を整えておく

とは言っても、そう簡単にうまくいかないこともあります。思っていたよりも気が強かった・弱かったなど、個体差に振り回されることも少なくありません。

追いかけられ、水槽の端に必死に逃げている姿を見かけたら、早めに取り出して隔離してあげるのが良いと思います。逃げ回っている子は、水槽内を徘徊することができないので、眠る場所を確保できていないことがほとんどです。喧嘩の末に自分のテリトリーを奪われてしまうケースもあります。

安心して眠れないことは、お魚達にとって致命傷です。最悪の場合ストレスから病気になり、☆になってしまうこともあります。ある程度は魚同士で折り合いをつけてもらいたいところですが、無理のさせすぎは禁物なので、よく観察し、限界が来たと感じたら迷わず取り出して隔離してあげれるよう準備しておくと良いと思います。

 

可愛いとこもあるから許して

気が強く、新入りを見かけると、とにかく追い掛け回してしまうポッターズの「パンプキン」。

我が家では現在新しくフレームエンゼルを投入したく、比較的体格も大きい子を用意したのですが、案の定「パンプキン」に追い掛け回されてしまい、現在もサンプ内で隔離中です。仲良く泳いでくれるのはいつになることやら…。

今から「パンプキン」を取り出して順番を変えるというのも一つの手ですが、水槽は広いし、意外と泳ぐの早くてそれも絶望的です。ということで、機会を待つしかないなと諦めている状態です。「もう、なんで追いかけるかなー」と文句言いつつ、なんだかんだで気に入ってしまっている私たちがいるのも事実です。

喧嘩もせず仲良く他の魚と泳ぐ姿は、愛嬌もあってとても可愛いですし、色もすごくきれいなので、ヤッコ好きの夫もおすすめのお魚です。餌もよく食べますし、ストレスにも比較的強い種類だと思います。

もう喧嘩しないでね!パンプキン!