【飼育記録】カクレクマノミの繁殖①【アクアリストの妻目線】

思い出すあの日の会話

夫が初めて海水アクアリウムを立ち上げ、生態を入れた日。
我が家では先駆けて始めていた淡水アクアリウムの中で、プラティーたちが自然繁殖していたため、何気ない気持ちで夫に聞きました。
「海水魚って自然繁殖したりするんかな?」
夫は「カクレクマノミはすることあるらしいよ」と言い、それを聞いた私は「クマノミが増えたらかわいいなぁ」なんて呑気な気持ちでいました。

きっかけはオス(♂)クマノミの決死の攻撃

カクレクマノミの繁殖の話などすっかり忘れていた今年の夏のことです。
最近メスのクマノミのお腹がやたら大きい。「もしかして卵かな?」とも思いましたが、卵を持ったクマノミを見たことが無かった為、元気だからいいかと楽観的に見ていました。

それから数日たったある日、いつもの給餌の時間になり、エサが落ちてきたところに魚たちが群がります。
我が家の海水水槽の中で最も大きいクイーンエンゼルが寄って行ったその瞬間…
「こっちに来るんじゃねぇっ!!」とオスクマノミが決死の攻撃!!
普段そんな攻撃をすることは見たことが無かったので、何事かと驚きよく見てみると

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっと並んでました。(集合体恐怖症の方申し訳ありません…)
オスクマノミがいる場所の下には産み付けられた卵たちが。いつの間に!と、これ何!?が同時にきてプチパニック。
とにかくびっくりしましたが、ネットで調べたところカクレクマノミの卵で間違いないようです。
カクレクマノミはオスが卵を守るんですね。メスはずいぶんすっきりしたボディーになり、涼しげな顔で泳いでいました。やっぱりあのお腹はご懐妊のふくらみだったみたいです。
こうして我が家のカクレクマノミの繁殖が突如として始まりを告げました。

PasyaPasya
それにしてもわが子を守ろうとする父の姿は勇敢でした。素晴らしい!

稚魚を迎える準備

卵から稚魚が生まれるまでは約8~10日かかります。
そのまま放置では水流ポンプやオーバーフロー管に吸い込まれてしまうので、生まれたところを捕獲して別水槽に入れなくてはなりません。
我が家では稚魚用の別水槽を置くスペースが無いため、隔離ボックス的な水槽を本水槽の中に取り付けて、そこに稚魚を入れることにしました。

稚魚はものすごく小さいので、普通の穴あき隔離容器では通り抜けてしまいます。
その為稚魚用の隔離水槽は流れがほとんどないので、エアレーションも入れてあげました。
本水槽につけるタイプは隔離水槽内の温度管理や塩分濃度を気にしなくて済みますが、下にいるサンゴたちが影になってしまうのが残念なところです。できれば別水槽の方が良いのだと思いますが、我が家にこれ以上水槽は置けないので(置いてほしくないので)仕方ありません。
夫よ、何とか工夫で乗り切ってください。

PasyaPasya
できることで頑張るしかない!

卵の変化を観察してみる

毎日観察していると卵の様子も少しずつ変わってきます。
はじめは淡いオレンジの半透明カラーだった卵も、日が経つにつれ黒っぽくなり、次第にキラキラ…

み、見られてる…?黒っぽく見えるのは稚魚たちの目です。写真ではわかりにくいですが、キラキラと光って見えます。着実に卵の中で育っているのがわかります。
たった1週間強でお魚の形になるのですから、すごいなぁと感心するばかりです。

毎日オスのクマノミは卵の上を泳いでしっかりと守っています。時折卵と卵の間に頭を突っ込んで掃除もしています。めちゃくちゃマメ。ほんとえらい。
稚魚の目が卵の中に確認できるようになる頃には、夫婦二匹で一緒に掃除するようになります。
そんな姿が見られればいよいよ稚魚の誕生です。誕生の瞬間の話は別記事でご報告します。お楽しみに!