海水魚の飼育って難しくないの?
難しくありません。これは断言できます。正直なところ、ちゃんと理解してあげれば淡水魚飼育より楽です。海水魚と淡水魚の両方の飼育をしていますが、海水飼育のほうが水替え頻度も下げられますし、病気になっても治せることが多いです。サンゴを入れると少し難易度が上がりますが、そこまでたどり着けた人ならばいろいろと理解されていることと思います。
手間はかからないの?
ペットですので、手間が0ということはありません。しかし、散歩が必要な犬がたくさん飼われているように、具体的にどのような手間がかかるかを理解してもらうことで判断しやすくなると思いますので、一覧にしてみました。
毎日必要なこと
実は毎日必要な苦痛な作業はありません。餌やりは一番楽しい時間ですし、観察も水槽を眺めるだけなのでリラックスできる時間です。
餌やりも毎日が面倒だったり出来ない場合は自動餌やり装置に任せることもできるので、とても楽です。
- 餌やり
- 眺める
1~2週間毎に必要なこと
さて、これが1番面倒な作業だと思われます。水の交換とメンテナンスです。海水魚なので、塩を溶かした水道水を交換してあげる必要があります。
しかし、実は海水魚飼育に慣れてくると半年くらい水を交換しなくても運用できたりします。頻度に幅があるのは、どれだけの量の生体を入れるかによって頻度が変わるためです。少な目であれば2週間でも全く問題ありません。
- 水替え、足し水
- プロテインスキマーの掃除
- フィルターの交換
トータルの時間は大体30分くらいです。慣れれば20分もかかりません。
1ヵ月毎に必要なこと
コケは特に生体に害があるわけではないのですが、コケが生えると急に水槽が汚れて見えてしまうため1ヶ月に1度程度5分くらいの作業が必要になると思います。磁石式の物を使うと非常に早く簡単に掃除することができます。
- コケ掃除
お金がかかりそう・・・
どんな趣味でも上を見ればキリがないと思いますが、一般的な海水魚飼育であれば5万円の初期投資をすれば、十分な設備を買うことが出来ます。
安く済ませれば3万円ほどにすることができます。これらに生体の値段を加えたものがトータルコストになります。
ランニングコストはもちろん水槽サイズ次第ですが、海水代、餌代、電気代込みで平均化すると月2000円程度の出費になると思います。
この値段であれば大学生でもアルバイトしていれば十分まかなえる金額ですし、そこまでハードルの高い趣味ではないと思います。特に海水水槽は雰囲気が高級感ありますので、部屋がオシャレな感じになります。
すぐに死んでしまわないの?
死なないです。海水魚の寿命は犬と同等か長いくらいです。15年から20年生きているカクレクマノミの報告はたくさんあります。海水魚が死んでしまう要因は
- 初期の立ち上げミス
- 病気
- 突発的な飛び出し
- 輸送の影響
以上で9割を占めると思います。これらは知識があれば上3つは防げますので、無茶なことをしなければそうそう死にません。
輸送の影響については、これは店舗に直接行けば水槽に入れるまでの時間が短いので影響は少ないですが、通販の場合はごく稀に起きうると思ってください。私の経験上は5パーセント以下の確率です。
お勧めの海水魚
海水魚はたくさんの種類がいますので、以下に飼いやすくて買いやすい海水魚を集めてみました。実際に私が飼育した経験をもとに記載しています。
カクレクマノミ
定番種になります。しかし大変魅力的なお魚なのでベテランの方でも飼われている方はたくさんいます。水槽内での繁殖も可能です。病気にも強く、15年以上生きたり寿命も長いです。イソギンチャクがいなくても特に問題はありません。何故なら水槽内にはカクレクマノミを襲うような魚はいないためです。しかし、混泳には注意しましょう。1つの水槽にはカクレクマノミは2匹までにした方が無難です。2匹でも必ず混泳がうまくいくかは分かりません。別の種との混泳は問題ありません。
キンギョハナダイ
流線型のThe魚という形状をしたハナダイです。ほとんどの海で見ることが出来ます。とても色がキレイです。元々住んでいる地域で若干色が異なっています。病気にも強いですが、その見た目通りとても早く泳ぐので飛び出しには注意しましょう。メスを混泳させることは簡単です。オスは水槽に1匹までにしましょう。別の種との混泳は問題ありません。
写真はキンギョハナダイのオスです。
デバスズメダイ
スズメダイという種類は混泳が難しいのですが例外的に群れになって泳ぐ種類です。他のスズメダイは経験的に混泳ができると書かれている種類でも混泳不可能なことが多いです。デバスズメは同種、別の種との混泳の両方共に問題はありません。
ハタタテハゼ
色もキレイで病気にも強いハゼです。しかし飛び出しには注意しましょう。また同種で争うことがありますので、同種の混泳が不可能なわけではないですが1匹にしておくのが無難です。
他の種との混泳はほぼ問題ありませんがハゼ同士は争うことがあります。
ヤエヤマギンポ
コケをよく食べてくれる魚です。比較的大きくなるので30cm水槽では入れない方が良いと思います。
代わりにヤドカリや貝を多めに入れることでコケ対策をします。60cm水槽では問題ないでしょう。とてもよくコケを食べてくれます。病気には強いです。しかし混泳はやめたほうがよく、1匹にしておくべきです。飛び出しにも注意しましょう。
イエローヘッドジョー
私のオススメの海水魚です。ペアで巣穴に住む習性があります。すごく愛くるしい魚です。また病気にも強いです。
イエローヘッドジョーの単独飼育でも十分満足できると思います。巣穴を自分で掘って作るのがとても可愛いです。細長い形状をした海水魚は全て飛び出しに注意した方がよいと思います。
必要な機材
必要な機材を一覧にしてみました。選び方とその理由について記載しました。
水槽
海水魚水槽はオーバーフロー水槽がよいと言われることが多いですが、外部フィルターや上部フィルター、外掛けフィルターで問題なく飼えます。
オーバーフロー水槽のメリットは、見た目です。濾過を担う装置を全てサンプと呼ばれるろ過槽に隠すことができるのでスタイリッシュな見た目になります。買えるならオーバーフロー水槽がオススメですが無理してまで買う必要はないと思います。
サイズは30x30x30cm以上の物を選びましょう。さすがにそれ以下のサイズだと海水魚飼育は難易度が高すぎてオススメしません。30cm水槽以上なら問題なく飼育できます。
ろ材
初めて海水魚水槽を立ち上げる場合はろ材は入れましょう。ろ材なしで飼育する方法もありますがサンゴにために行う方法なので海水魚のみではろ材を入れたほうが安全です。
サンゴがあっても、難しい種類以外はろ材があっても問題なく飼えますので私の場合は難しいと言われている種類のサンゴもろ材ありで飼育しています。
レイアウト用品
何もなしでも飼育は可能ですが見た目が良いほうがモチベーションが上がるので以下のどれかを入れるのがオススメです。
- ライブロック
- 擬岩
ライブロックは海にある岩のことです。海の岩には様々な生き物が住んでいます。これらは良い生物であることもありますが、悪い生き物の場合もあります。ウミケムシやシャコなどが問題になる生物です。海の生態系を作りやすくなるのがメリットです。
擬岩はプラスチックで作られた偽物の岩です。人工物なので、生き物はついていません。こちらでも問題なく飼育することができます。メリットは軽いこと、加工しやすいことです。
人工海水
天然海水という選択肢もあります。そちらでも問題はありませんが値段は高いです。これらはどのメーカーでも問題はありません。難しいサンゴを飼うような場合のみこだわればよいと思います。
餌
私は色々な種類の物を混ぜて使っています。今まで餌が問題と感じたことはないので、どのメーカーのものでも問題ないと思います。定番種を選んでみました。
プロテインスキマー
無しでも飼育できると言われますが、購入することをお勧めします。このろ過装置は本当に優れたろ過装置です。泡を発生させるだけの装置ですが、泡の表面に汚れが吸着される性質を利用して汚れを取り除きます。泡の発生の仕方によって大きく3つに分けることが出来ます。
- エアーリフト式
- ベンチュリ式
- ダウンドラフト式
この中で超小型式はエアーリフト式が主流で、ベンチュリ式は小型から大型まで最も幅広く採用されています。ダウンドラフト式は少し珍しい方式です。日本では最近はこの方式の物は見ないです。海外では売られています。
クーラー
夏場のみ必要です。冬に立ち上げる場合は、まずはヒーターを買いましょう。クーラーはファンタイプでも海水魚は飼育することが出来ますが、予算があるならコンプレッサータイプを買いましょう。コンプレッサータイプは値段が高いですが性能は最も高いです。サンゴを入れる場合はペルチェ素子タイプまたはコンプレッサータイプを購入した方がよいと思います。基本的にサンゴは高温には耐えられません。
クーラーは冷却方式別に以下の3種類に大きく分けることができます。
- ファンタイプ
- ペルチェ素子タイプ
- コンプレッサータイプ
ファンタイプ
最も安いです。猛暑は厳しいですが部屋がエアコンがかかっていれば問題なく冷やすことが出来ます。冷却原理は蒸発する際に熱を奪う気化熱を利用しています。海水魚水槽の場合は塩分濃度が濃くなるので足し水が必要になります。
ペルチェ素子タイプ
電気を流すと冷えるペルチェ素子というデバイスを使ったクーラーです。コンプレッサータイプに比べると冷やす能力は劣りますが、サイズが小さいものが多いです。
コンプレッサータイプ
エアコンと同じ原理で冷却するタイプです。最も効率よく冷やすことが出来ます。これがあれば温度管理は問題ありません。
ヒーター
ヒーターはクーラーに比べると遥かに安いです。基本的にワット数によって加温能力は決まり、ワット数が同じならどれも大きく性能は変わりません。オプションの有無によって決めればよいと思います。
後は私は経験はないのですが、壊れてお湯になってしまい全滅したという話を聞くことがあります。
また、生体に影響を与えたことはありませんが水換えの際にスイッチを切り忘れて高温になって壊してしまったことはあります。今の物はヒューズが入っているものが規格として売られていますので、そちらを買うべきです。
水流ポンプ
海の中は思ったより潮の流れが速いので、ポンプを別につけることが多いですが小型水槽の場合は無くても問題ありません。サンゴを入れる場合は導入する必要があります。
まとめ
海水水槽を所有するとすごくきれいで癒されます。私は水族館が好きで、よく行っていましたが、自分で海水水槽を持てるなんて思ってもみませんでした。
しかし、実際にやってみると思っていたよりも簡単に維持が出来ました。慣れるまではサンゴを入れなければトラブルにも対処できますし、徐々に生体を増やしていけばよいと思います。
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