【飼育記録】我が家でブリードしたカクレクマノミが巣立ちました【アクアリストの妻目線】

ついにこの時がやってきました

カクレクマノミのお母さんが卵を産み始めてから、早1年以上…。

何度も失敗と後悔を繰り返しながらも、様々な工夫をしながら懸命にブリードを頑張ってきました。その第一子として生まれたクマノミベビー達の体がとても大きくなり、隔離しておくのはもう限界かなと感じ、この度本水槽に巣立ちさせることにしました

そこで、巣立ちをさせる上で気を付けたことや、注意点などをまとめていきたいと思います。

今までのクマノミブリードについては下記にまとめた記事がありますので、興味のある方はぜひ参考になさってください!
↓ ↓ ↓

【飼育記録】カクレクマノミの繁殖①【アクアリストの妻目線】

【飼育記録】カクレクマノミの繁殖まとめ【アクアリストの妻目線】

 

巣立たせる前にチェックしておくべきこと

クマノミさんを巣立たせるにあたり、「ここだけは見ておいた方が良い」と思ったことをまとめてみました。これは比較的体の小さなお魚を水槽に投入する際にも役立つことなのではと思います。

病気などを患っていないかどうか(健康体かどうか)

これはどんなお魚でも投入前に必ずチェックしておきたいポイントですよね。病気だけではなく、餌をしっかりと食べるか、体つきはしっかりしているかなど、十分に健康な体であるかどうかチェックをしました。

我が家の本水槽(150cm水槽)にはすでに約40匹のお魚が暮らしていることもあり、巣立った後は隔離状況よりもずっと過酷な環境になります。眠る場所も、食べるものも、自分で見つけて暮らしていかなければならなくなります。少しでも弱っていたりすると環境の変化に耐えられない可能性があるので、この点はしっかりと見てあげると良いと思います。

 

水流ポンプに巻き込まれない大きさかどうか

基本的に海水魚たちは強い水流に耐えられる体を持っていますが、自然の水流と人工的にポンプで起こす水流は多少なりとも違いがあります。また、今回は我が家の水槽内で生まれたクマノミなので、自然の波やポンプの威力を知らずに大きくなっていることも、懸念事項の一つでした。

お魚は投入直後に他の魚に追いかけられたり、うまく居場所が見つけられないと、水槽の端っこへ逃げようとする様子がよく見られます。この時にもしポンプに巻き込まれてしまったら…。悲しい事態を避けるため、今回我が家では2.5~3cmくらいの大きさになるまで待ってから投入しました。

 

隠れ場所があるかどうか

新しいお魚をお迎えするときにも重要なポイントとなってくることですが、眠ることができる場所や、他のお魚に追いかけられた際に隠れることができる場所などが十分確保できているかをチェックしました。むやみやたらにお魚を投入し、「そのうち隠れ場所を見つけるだろう」と呑気に構えていた時期もありましたが、喧嘩や縄張り争いが勃発し、追いやられた魚が飛び出したり、病気になって弱ってしまう等、悲惨な状況になってしまうことも少なくありませんでした。

今回投入したカクレクマノミは基本的に水槽の中間から上側あたりで生活することを事前に知っていたので、入り組んだサンゴたちの隙間が十分な隠れ場所になると考え、特に住処の増設などはすることなく投入しました。

 

巣立ってから見るべきポイント

上記のような項目がチェック出来たら、いよいよ投入です。ですが「はぁ~やれやれ。」と放置するわけにはいきませんよね。新しい環境できちんと生活できているか観察が必要です。今回は特にクマノミさんの持つ特性にも重点を置いて、巣立ってから見るべきポイントをまとめました。

日中どこで生活しているか

どんなお魚にもある程度「縄張り」が存在します。当然ですが、新しく投入されたお魚達に最初から縄張りがあるわけではなく、生活していく中でそれぞれお魚たちが場所を分け合い縄張りが確立されていきます。お魚の種類にもよりますが、ほとんどのお魚は初めての環境に戸惑い、水槽の端っこに行ってしまうことが多いです。

この時、水槽の端には大抵水流ポンプが設置してある為、水流ポンプの流れに対し、必死になって泳いでいる様子ではないかを見ておきましょう。ポンプの水流を受けながらも、ある程度場所が移動出来ていたり、餌を取りに行く余裕があるようなら問題ありません。あまりにも水流から逃れるのに必死なようであれば、隔離してあげることも考慮します。


↑クマノミのお父さん。わが子のことは追い払ってしまいます。

また、これはカクレクマノミの特性ですが、他のお魚とはあまり喧嘩しないものの、同じクマノミさん同士は近くに寄りたがる傾向があります。これは体の小さな子供のクマノミに特に顕著にみられます。我が家のクマノミベビー達も投入直後は真っ先にお父さんお母さんクマノミの近くに寄っていきました。しかしながら、既にペアになってしまっているカクレクマノミの場合、他のクマノミが縄張りに近づくことを嫌がり、追い払ってしまうことも少なくありません。先住民にクマノミのペアがいる場合は特に気を付けて見てあげるようにしましょう。

 

餌をしっかり食べれているかどうか

いつもの餌タイムの時にチェックしておきたいのが、新しく投入したお魚がちゃんと餌を食べれているかどうかということ。水流ポンプによって水槽の中には一定の水の流れが出来ているかと思いますが、新しいお魚がいる場所に餌がきちんと届くのか、もしくはお魚自ら餌を取りに行けているかどうか確認します。

特に夜間にゆっくりと眠れるスペースや場所が確保できていない場合、魚がストレスを感じてしまい、初めはきちんと食べていた餌も急に食べなくなるといったこともあります。夜間にどこで寝ているのかをチェックするのはかなり大変なので、餌を食べている様子でストレス度合いをチェックすると良いと思います。また、すぐに症状として現れないお魚もいるため、1週間~2週間と長めのスパンで注意深く観察することをお勧めします。

 

体は成長しているか

これは投入後の水槽の大きさ等にもよるので一概には言えませんが、隔離水槽よりも投入後の水槽が大きい場合、お魚の成長スピードがぐんと上がることが多いです。

泳ぐ範囲が増えたり、食べれる餌が増えることなどが理由なのかなと思います。特に我が家のような大きな水槽に移住させた場合は、しっかり餌を食べれているかつ、ある程度ストレスなく自由に泳げる環境になっていれば、体つきが見る見るうちに大きくなります。体長も大きくなり、しっかりと厚みのある健康的な体つきになることが多いです。この様子が見られることによって、お魚がきちんと水槽内で生活できている証拠とも言えると思います。

ストレスが掛かっていたり、餌が十分に食べれていない場合は、逆にまったく体長が変わらなかったり、ガリガリに痩せていってしまうような様子が見られます。ただし、お魚の個体差や、移住後の水槽の大きさ、水槽内環境によって変化の仕方は様々なので、あくまで目安の一つとして観察するとよいと思います。

 

ブリードならではの特徴

我が家でブリードしたクマノミさんですが、実は体のラインが途切れている部分があります。


↑真ん中の柄が途切れてしまっています

ケガをしたとかではなく、成長するにつれてこの柄になっていってしまいました。

これは稚魚の時の栄養不足が原因の一つと言われています。
これを聞いて「え、私たちの飼育環境良くなかったか…?」と落ち込んでしまいました。

画像のような柄のクマノミさんを見かけたら「ブリードクマノミなんだな」と区別できるんだそうです。自然の海の豊かさがどれほどのものなのかと、改めて感嘆せずにはいられません。

至らない部分があったにも関わらず、元気に成長し巣立ってくれたことをとてもうれしく感じました。

 

無事巣立ってくれました

初めてクマノミの卵を見た日のことはとてもよく覚えています。ブリードなんて初めての経験で、何を準備したらよいのか、いつ頃生まれてどのように飼育するべきなのか、ネット中の情報を読み漁り、バタバタと準備をしていたのが昨日のことのようです。

知識がなかったためにしんどい思いをさせた日があったかもしれませんが、病気になることもなく元気に大きくなってくれたことをとても嬉しく思います。

今回本水槽デビューしたクマノミさんは、見る見るうちにしっかりとした体つきになり、もりもり餌を食べて元気いっぱい泳いでくれています。いつかこの子がまた卵を産んでくれる日が来るのかな…と楽しみな毎日です。