ろ過システムの違いによる水槽立ち上げ期間の差

はじめに

ろ過システムによる立ち上げ期間の差について比較評価を行いました。何故このような評価を行ったかというと、どのろ過システムを使えば早く立ち上げるのかがということを自分で比較評価していなかったためです。

金魚すくいのように急遽生体を飼育することになる場合や、立ち上がってから生体を導入する場合であっても、早く導入したいのが人情です。立ち上げ期間が短くなれば生体の死亡を抑えることにもつながります。

今回4つの違うろ過システムをほぼ同時期に立ち上げ、比較することで立ち上がり期間の違いを確認しましたので、その結果について報告します。

 

比較した各種ろ過システムの説明

共通する評価条件

水:淡水
温度:30℃
アンモニア発生源:アンモニア直接添加式  2mlを全水槽に添加。

 

初期添加バクテリア:
GEX サイクル 150mlをアンモニア添加と同時に20ml

 

GEX ベストバイオ 150mLをアンモニア添加と同時に10ml

 

ろ材:パワーハウス モノボール 淡水海水両用

4つのシステム

オールインワン水槽型

オールインワン水槽は、GEX AQUA 360Rを用いました。

 

AQUA 360Rのフィルター部分はこのような感じです。水は下側に設置されているポンプから吸い上げられるため、オーバーフローした分が上から流れ出ていく仕組みです。そのため、下側から上側まで水が一方向に流れます。

 

この部分にモノボールを以下のように詰めました。特に工夫はしていません。

 

底面フィルター型

底面フィルターはGEXのマルチベースフィルターにGEXのコーナーパワーフィルターをポンプとして追加しています。底面フィルターの底砂はシンセー 大磯砂 中目を使っています。

 

設置した感じはこのような感じです。この上に底砂を設置しています。

 

外掛けフィルター型

外掛けフィルター型はGEXのRAKUFIL Slimを使いました。正確には外ではなく水槽内部につけるので内掛けフィルターと呼んだ方がよいかもしれません。

この外掛けフィルターの内部にモノボールを入れたものを使用しました。

 

ろ材が入るスペースはこのような感じです。2つの空間に上下で分かれていて、写真上型の部分はほとんど上側から水が供給されるので、ろ材には水がほとんど流れません。そのため、ろ過にどの程度寄与しているかは不明です。

 

ろ材を入れた感じはこのようになります。

 

フィルターなし(ボトルアクアリウム)

ボトルアクアリウムは以下のような円筒型(入口Φ19cm (最大径部28cm)×H23cm)のガラスを使っています。その中に田砂と石を詰めたものにて評価しました。ろ材は使っていません。

また、ボトルアクアリウムだけは水流が全くないことからエアレーションを行っています。

 

亜硝酸・硝酸塩の発生評価結果

立ち上げの確認方法として、亜硝酸と硝酸塩の発生を確認しました。評価には試験紙タイプのTetra 6in1を使用しました。液体試薬の方が精度よく測定できるのですが、今回の場合絶対値はそこまで重要ではないので、安くて手軽な試験紙タイプを使用しました。

 

GEX AQUA 360R オールインワン水槽での亜硝酸・硝酸塩の測定結果

5月6日にアンモニアを添加しました。5月12日に初めて亜硝酸・硝酸塩共に発生を確認しました。その後は亜硝酸硝酸塩共に伸びていきますが、5月18日から5月22日の間は測定値があまり安定していません。測定結果が安定していないのは、試験紙タイプの影響も受けていると思われます。

亜硝酸・硝酸塩共に落ち着き始めたのが、5月27日で、双方0になったのが水替えを行った6月4日です。立ち上げ完了と言える亜硝酸が出なくなるまでには約1ヵ月ほどの時間がかかりました。

 

GEXのマルチベースフィルター 底面フィルターでの亜硝酸・硝酸塩の測定結果

5月6日にアンモニアを添加し、2日後の5月8日には亜硝酸・硝酸塩共に発生を確認しました。その後順調に亜硝酸・硝酸塩共に発生量が増加し、5月9日にはすでに試験紙の検出上限限界値まで亜硝酸の発生を確認しました。亜硝酸は少し遅れて5月12日にピークを迎え、5月19日には双方大きく発生量が低下しました。

その後、測定まで若干時間があき水替え後に測定した5月27日には亜硝酸・硝酸塩共に0 mg/lとなりました。5月19日の段階で水替えを行っていれば、亜硝酸は0 mg/lに出来ていたと思われます。

 

GEXのRAKUFIL Slim 内部式外掛けフィルターでの亜硝酸・硝酸塩の測定結果

5月10日にアンモニアを添加しました。その後初めて亜硝酸を検出したのが、5月18日です。5月26日に亜硝酸は検出上限限界値となりました。硝酸塩は100mg/lが最大値となりました。

この水槽は生体導入の関係から6月3日に水替えを行い、その後に測定したところ6月4日に亜硝酸・硝酸塩共に0 mg/lとなりました。

 

 

ボトルアクアリウム ろ材なし、底砂と石のみでの亜硝酸・硝酸塩の測定結果

6月11日にアンモニアを添加しました。その後6月29日に測定を行ったところ、亜硝酸の発生を確認しました。

その後7月3日に測定しても値が変わらなかったことから、1ヵ月放置して8月6日に測定したところ、亜硝酸は発生が0 mg/lになっており、硝酸塩を若干のみ検出しました。

測定までの期間が長くなってしまったためもう少し早く立ち上がっていたと思われますが、1ヵ月の時点で亜硝酸が出ていることを考えると、立ち上げに時間がかかるのは間違いありません。

まとめ

今回の評価結果は以下の通りとなりました。

  1. ろ過は底面ろ過が立ち上がり期間、安定度共に高かった。
  2. ろ過材がないボトルアクアリウムは1ヵ月経っても亜硝酸が発生し、立ち上がるまで2か月かかった。
  3. ろ過材が少ない、Allinoneシステムや外掛けフィルターにろ材を導入したシステムでは、立ち上げまで1ヵ月かかった。

これらから、ろ材の量≒バクテリアの付着できる面積が大きく立ち上げ期間に寄与していそうなことが、はっきりとわかりました。理屈通りの結果なのですが、実際に数字でどの程度の期間がかかるのかが分かったことは価値がありそうです。

一般的に底面フィルターはろ過面積が非常に広く、ろ過が安定するといわれますが、底面フィルターであっても2週間程度の立ち上げ期間はかかることが分かりました。硝化細菌が繁殖しやすい30℃程度で、2週間かかっていますので生体ありの温度(25℃前後)ではもう少し長くかかる可能性があります。

よって、大急ぎで水槽を立ち上げたい方はお手軽な底面フィルターを利用するか、できるだけろ材が多く入る外部フィルターを利用するのが良いように思います。

生体導入までじっくり時間をかけられる場合は、All in oneタイプや外掛けフィルタータイプ、またはボトルアクアリウムにてお手軽に、スタイリッシュに立ち上げるのもよいと思います。