今までになかったパープルクイーンの餌付けの方法

はじめに

パープルクイーンアンティアスは、その美しい見た目から多くのアクアリストに人気のある海水魚ですが、餌付けが非常に難しいことで知られています。多くの人が購入しても餌を食べさせることができず、結果として餓死させてしまうケースが後を絶ちません。この問題の大きな原因は、パープルクイーンアンティアスがプランクトンを主食としているため、市販の餌にはほとんど興味を示さないことにあります。

これまで、パープルクイーンアンティアスの餌付け方法に関する具体的な解決策は餌の種類に関するものがほとんどでした。しかし、試行錯誤の結果、餌の種類ではなく「与え方」に工夫を加えることで、成功率を大幅に向上させる方法を発見しました。

本記事では、パープルクイーンアンティアスの生態を踏まえつつ、実際に成功した餌付けの方法について詳しく解説します。これまで失敗を繰り返していた方や、これからパープルクイーンアンティアスを飼育したいと考えている方にとって、役立つ情報をお届けします。

ポイントの説明

パープルクイーンアンティアスの餌付けを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。その中でも特に重要なのが「水流の設定」「餌の種類とサイズ」「給餌の回数と方法」です。それぞれの要素を適切に調整することで、パープルクイーンアンティアスの生存率を大幅に向上させることができます。

1. 水流は強めに設定する

今まで私はいろいろ調べましたが、水流の重要性は見たことがない重要なポイントです。

パープルクイーンアンティアスは自然界では強い水流の中を泳ぐ習性があり、水槽内でも同様の環境を作ることが重要です。水流を強めに設定し、パープルクイーンが流れに逆らって泳ぐ状態を作ることで、彼らは餌が流れてくる場所を自ら選び、その場所を固定して泳ぐようになります。この行動を促すことで、餌を認識しやすくなり、スムーズな餌付けにつながります。

また、水流は24時間強めにする必要はなく、給餌のタイミングに合わせて調整することも可能です。釣りをする人なら理解しやすいですが、海の潮も常に動いているわけではなく、潮が動くタイミングで魚の活性が上がります。これと同じように、餌を与える1時間前から水流を強めることで、パープルクイーンアンティアスの活性を上げ、餌を食べやすくすることができます。

私の水槽はミドリイシ水槽なので水流が強く、たまたまパープルクイーンアンティアスやディアディムアンティアスが水流に逆らって同じ位置で留まっていることを発見し、釣りの経験から、もしかして餌を待っているのかもしれないと感づき調べたところ、餌付けに重要なことがわかりました。

その後、2件のショップに話を聞きにいったところ、納得感があったようで何故かハナゴイやパープルクイーンアンティアスが餌付きやすい水槽とそうではない水槽があって、その謎が解けた!とテンションが上がっておられましたので、数多くの魚を見ておられる方の経験とも合致するようです。

 

2. 餌は小さめにする

パープルクイーンアンティアスはプランクトン食性の魚であり、大きな餌にはあまり興味を示しません。実験の結果、400〜800μm程度のサイズの餌が最も食いつきがよく、1mmを超えると餌付いた後でも一部の個体しか食べない傾向が見られました。そのため、粒が小さい人工餌やプランクトンサイズの冷凍餌を中心に与えるのが効果的です。

 

3. 最初の餌付けには冷凍餌や活餌を混ぜる

パープルクイーンアンティアスは、導入直後から人工餌だけで餌付けすることも可能ですが、冷凍餌や活餌を併用すると、餌付けの成功率が大幅に上がります。特に、ベビーブラインシュリンプ、コペポーダ、魚卵などの冷凍餌は食いつきがよく、活餌ではブラインシュリンプが最も現実的な選択肢です。

最初の段階では、これらの天然餌を与えながら、徐々に人工餌に切り替える方法が推奨されます。餌付けが進むにつれて、人工餌の割合を増やしていくことで、最終的には人工餌だけで維持できるようになります。

 

4. 餌を与える回数は多めにする

パープルクイーンアンティアスは泳ぎ続ける魚のため、一度に大量の餌を食べるのではなく、少量ずつ何度も摂取する傾向があります。そのため、餌を与える回数を増やさないと、運動量に対して摂取カロリーが足りなくなり、痩せ細ってしまうことがあります。

1日に3〜5回程度の給餌が理想的ですが、できるだけ回数を増やし、小まめに餌を与えることが重要です。餌付いたからといって油断せず、十分な給餌を継続することで健康的に育てることができます。

 

まとめ

パープルクイーンアンティアスの餌付けは難しいとされてきましたが、適切な環境を整え、給餌方法を工夫することで成功率を大幅に上げることができます。本記事では、成功のポイントとなる「水流の設定」「餌の種類とサイズ」「給餌の回数と方法」について解説しました。

まず、水流を強めに設定することで、パープルクイーンアンティアスが自然に餌を待つポジションをとるようになり、スムーズな餌付けが可能になります。特に、餌を与える1時間前から水流を強めることで、魚の活性が上がり、食いつきが良くなる効果が期待できます。

次に、餌のサイズにも注意が必要です。プランクトン食性のため、大きな餌には興味を示しにくく、400〜800μm程度のサイズが最も食べやすいことが分かっています。特に、餌付けの初期段階では、冷凍餌や活餌を併用することで、スムーズに餌付けを進めることができます。ベビーブラインシュリンプやコペポーダ、魚卵などの冷凍餌、ブラインシュリンプの活餌が有効です。

さらに、給餌の回数も重要なポイントです。パープルクイーンアンティアスは常に泳ぎ続けるため、少量の餌をこまめに与えないと、運動量が摂取カロリーを上回り、最終的に餓死してしまうことがあります。1日3〜5回以上の頻繁な給餌を心がけ、健康的に維持することが大切です。

このように、水流の調整、適切な餌の選定、こまめな給餌を組み合わせることで、パープルクイーンアンティアスの餌付けを成功させることができます。美しい姿を長く楽しむためにも、これらのポイントを押さえた飼育方法を実践してみてください。