この記事の概要
ブラインシュリンプは実は産地が複数あり、その産地によって大きさが違っています。この3つの産地の紹介とその大きさの違いについて解説していきます。
はじめに
ブラインシュリンプといえば、稚魚の餌として知られていますが、複数の産地があるということはあまり知られていません。産地によって以下のような違いがあります。
- 孵化率
- 卵の大きさ
- 産まれたブラインシュリンプベビーの大きさ
- 値段
- 入手性
これらの違いから、与える稚魚の大きさによって適切な産地が違っていたり、沸かす際の適切な卵の量も違ってきます。また入手性や値段も違うため、一般的にはアメリカ(ソルトレイク)産がよく売られています。
これらの違いは海水魚の稚魚を飼育する際には重要になる場合があります。淡水魚の稚魚は海水魚と比較すると大きいことが多いので、そこまで重要ではありません。
3つの産地
日本で売られているブラインシュリンプの産地は主に3つあります。それぞれの産地の特徴について記載しました。
- アメリカ(ソルトレイク)産
- 中国産
- ベトナム産
アメリカ(ソルトレイク)産
ソルトレイク産のブラインシュリンプは最も一般的に売られています。特に意識せずに購入した場合は、ソルトレイク産であることが多いと思われます。
3つの産地の中では最も大きさは大きく、孵化率は低いです。孵化率については、産地だけではなく採取した年によっても違うため、一概に低いとは言えません。また、孵化率の違いは微々たるものですので、大きな影響は与えません。
大きさは日本で売られている中国産やベトナム産と比べると1〜2割大きくなっています。
中国産
現在日本で入手しやすいアメリカ産よりも小さいブラインシュリンプは中国産です。
私がみた限りでは、そこそこ入手しやすそうな感じでした。値段はソルトレイク産より2割程度高い程度のお店が多そうでした。
ただし、注意しなければいけないのは、中国産と一まとめにすると間違いを犯す可能性があるということです。ここでは2019年末現在で一般的に入手しやすい中国産のブラインシュリンプを指して話をしていますが、業者によっては大きいものもあるということです。この点は注意してもらった方がよいと思われます。
中国産のブラインシュリンプの卵のサイズは論文によると、265umとなっており、ソルトレイク産の265umと同じと書かれています。この辺りはロットや業者によって違うと思われます。
ベトナム産
ベトナム産の方がもう少しサイズが小さいのですが、入手性が非常に悪く通販でもなかなか入手できません。そのためかネットで調べてみたところ、値段もソルトレイク産の2倍から3倍しているお店もありました。
以下論文では、卵のサイズは235umという記載があります。ソルトレイク産のブラインシュリンプとサイズを比較すると1〜2割程度大きさが小さいようですね。
いわゆるワムシのサイズは100〜250umのため、産まれたてであれば、ワムシの代用になりえるかもしれません。
孵化率は95%以上あることが多いようです。年度毎の比較は出来ていませんので、どの程度安定しているのかはわからないのですが、未孵化の数が非常に少ないと複数の報告が上がっていました。
Keriman Yürüten Özdemir, Detection of Egg Diameters and Hatching Rates of California, China, Utah, and Vietnam Originated Artemia sp. in Different Temperatures and Salinity 2018年
まとめ
ブラインシュリンプは産地によってサイズが以下のように違います。
アメリカ(ソルトレイク産)≧中国産≧ベトナム産 ※ただし取扱業者による
孵化率はどれも85%程度はあるため、沸かす際には気にする必要はあまりなさそうです。
値段はベトナム産がかなり高く2〜3倍の値段がしているようです。
入手性はベトナム産がかなり入手しにくく、私もベトナム産のブラインシュリンプを手に入れるのに苦労しました。
淡水の稚魚はサイズが海水魚と比較して大きいことが多いので、最も入手しやすいアメリカのソルトレイク産地のものがバランスが取れていると思います。
海水魚の稚魚を飼育する場合には、ワムシが理想的ですが場合によってはベトナム産であればワムシの代用になるかもしれません。
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