【魚の病気】プリンセスダムセルのポップアイ【アクアリストの妻目線】

プリンセスダムセルがポップアイになった時のお話

今回は我が家で生活しているプリンセスダムセルがポップアイになってしまった時のお話をしたいと思います。

お魚の飼育において、病気との関係は切っても切れませんが、ポップアイになってしまうのは私たちにとって初めての経験でした。今現在、プリンセスダムセルはポップアイが完治しつつあり、元気に回復してきていますので、発症のきっかけと症状、その後の治癒の方法について共有できればと思います。

もう一匹入れたかったダムセル

以前我が家の海水水槽には2匹のダムセル(スプリンガーズダムセル・ローランドダムセル)が住んでいました。

ずっと仲良く暮らしてくれていたのですが、ある日突然喧嘩をし始め、最終的にローランドダムセルが追いやられてしまい、水槽から飛び出して☆になってしまいました。
とてもお気に入りだったお魚だったのでショックだったと同時に、コロナウイルスの影響でお魚やサンゴの再入荷が難しい状況が続いていると聞き「しばらくは新しくお魚はお迎えできないかな…」と諦めていました。

そんな中、たまたまネットショップで見かけた「プリンセスダムセル」
とてもきれいな体色をしており、かわいい!と一目ぼれしてしまいました。次はいつ手に入るかわからない現状、これは今しかない!と購入を決めました。

我が家で暮らしていたローランドダムセルについてはこちら
↓ ↓ ↓

【お魚実態紹介シリーズ】スズメダイの混泳術。ローランドダムセル【アクアリストの妻目線】

 

本水槽投入までに行ったこと

我が家の海水水槽は今の水槽にしてから4年が経ちます。住んでいるお魚たちは4年前からほぼメンバー交代していないので、それぞれの力関係やテリトリーの分配が仕上がってしまっている状態です。
この状況にいきなり新米のお魚を入れるとたちまちいじめられてしまう為、別水槽である程度大きくなるまで育ててから本水槽に入れることにしました。

病気の確認

これはどのお魚にも行っていることですが、本水槽に新しいお魚を入れる場合は病気などを患っていないか必ず確認します。水槽内に病気が持ち込まれることを防ぐためというのが一番の目的ですが、一度大きな水槽に入れてしまうと、後から病気が発覚しても捕まえるのが困難になります。その為、家にお迎えしたらすぐに体の状態をしっかりと確認し、必要であれば治療またはトリートメント(病気の有無に関わらず、薬浴をさせること)を行います

 

ある程度太らせる

ショップから仕入れたお魚は、まだ小さかったり、必要最低限の餌のみを与えられていることが多く、小柄でほっそりしているお魚がほとんどだと思います。それに比べて我が家のお魚達は居住年数の長さ・餌以外の食事をしている(主にライブロックに繁殖しているヨコエビや貝の子供)・泳いでいる量が多いという点から、かなり大きく、しっかりとした体格をしています。

お魚を新しく投入する際に縄張り争いは避けられません。他のお魚に負けることなく、自分のテリトリーを確保するためには、ある程度の大きさや体格の良さも重要になってきます。その為、水槽内のお魚と同じくらいの体格になるまで、しっかりと餌を与え成長させました。

 

発症してしまったポップアイ

入念に体をチェックし、時間をかけて育てて立派に成長したプリンセスダムセル。体格的にも申し分ない大きさになったので、いよいよ本水槽に投入することにしました。

心配だったのはやはり、同族であるスプリンガーズダムセルとカクレクマノミとの関係です。ご存じの方も多いと思いますが、スズメダイ系のお魚は縄張りの意識がかなり強く、気が強いことで知られています。このお魚達との折り合いがつけば何とかなるはず…と思っていましたが、これが甘い考えであったことを後に思い知ることになります。実際には別のお魚が原因となり、ポップアイを発症してしまいました。

原因はキンギョハナダイのオス達

恐れていたスプリンガーズとの折り合いは思っていたよりも早く着き、ひどく喧嘩もすることなくうまくいったように見えました。クマノミともほとんど争わず、他のヤッコなどのお魚もしつこく追いかけることが無かったので、大丈夫かもと思っていたのですが、そんな中かなり強く縄張りを主張し、プリンセスダムセルのことを目の敵にしている魚たちがいました。

キンギョハナダイのオスです。

完全に盲点でした。他の種類のお魚と争っている姿をほとんど見たことが無かったので、まさかという感じでした。我が家には3匹のキンギョハナダイのオスがいるのですが、この3匹が水槽内のほとんどのエリアを牛耳ってしまっていることをこの時知りました。

結局この3匹に隠れ家探しを阻まれてしまったプリンセスダムセルは、投入した次の日にポップアイを発症、水槽の端に追いやられていた為、急いで取り出し、治療することにしました。

 

ポップアイの症状と治癒方法

思わぬ魚たちからの攻撃により、住処を見つけられずポップアイを発症してしまったプリンセスダムセル。やはり追いかけられ続け、休める場所が無いことは、お魚にとって大きなストレスになってしまうようです。

ポップアイの症状とは

そもそもポップアイとはどんな症状かをご紹介します。

突然観賞魚の目が突出し、出目金のような状態になってしまう症状を指します。原因としては衰弱や他の病気を発症している、もしくは水質の悪化等が挙げられます。ポップアイ自体は環境の改善をすることで症状は落ち着くもののようですが、体が弱っている状態なので、他の病気を併発しやすくなります。その為、ポップアイを発見した場合は早めに対応をしてあげる必要があります。

 

病気への対応

基本的にはどんな病気であっても対応の順序は同じです。

病気に罹っているのを発見した場合は

  1. 原因となった環境の改善
  2. 症状の確認
  3. 必要処置の実行
  4. 回復具合の確認

の順番で対応します。我が家のプリンセスダムセルの場合は

①原因となった環境の改善

原因は、他の魚に追い回され、居場所が見つけられなかったことによる衰弱であったと考えられます。

対応方法
メイン海水水槽内の縄張り争いが原因なので、別水槽に避難させました。他の魚がいない安全な場所を確保し、療養させることにしました。

 

②症状の確認

病状としてはポップアイの症状が出ていました。飛び出し方としてはかなりひどい状況のように見えます。また、飛び出した目の部分が赤くなっており、何らかの細菌感染を起こしている可能性がありました。餌も食べずに水槽の端っこでじっとしている様子でしたので、かなり衰弱していたと思われます。

 

③必要処置

ポップアイ、細菌感染に対応した処置を行います。

対応方法
ポップアイ自体は環境を改善し、日にち薬で治す症状なので、ストレスのない環境に入れてあげるだけで問題ないですが、目元の充血は細菌感染を起こしている可能性があるため、こちらは薬浴が必要です。今回は細菌感染に効くお薬を使って、赤みが引くまで薬浴をすることにしました。

 

④回復具合の確認

目元の赤みに対して薬浴を行ったので、その治り具合をまずは確認します。実際赤み自体は2日ほどで引いてくれました今までの経験上、細菌感染は治すのが結構難しいと感じていたので心配でしたが、早めの対応が良かったのか効果があったようです。

大きく飛び出してしまった目ですが、赤みが引いてから3、4日経つと少しづつ引っ込んでいるように見えたので、そのまま様子を見ることにしました。

何といっても一番大切なのが食欲ですが、こちらも隔離から1週間ほどするとバクバクと積極的に食事をするようになりましたせっかく体が元に戻っても、食欲が戻っていなければいずれ衰弱してしまうので、元と同じくらいまで食欲が戻っているかどうかは必ず確認してから戻すようにすると良いと思います。

 

元気になりました

一時はどうなることかと思いましたが、無事に目も元の位置に戻り、食事もしっかりするようになって回復してくれました。
メイン水槽は同じことの二の舞になっては元も子もないので、もともと大きくなるように育てていた時のサブ水槽に戻してあげました。

改めて、我が家のメイン海水水槽はとても絶妙なバランスでお魚たちの力関係が保たれ、維持されているのだなと実感しました。しばらくむやみに新しいお魚は入れないほうが良さそうです。

今回初めてポップアイという症状を経験し、とてもいい学びになったと思います。
皆さんのお魚にポップアイの症状を見かけたときは、こちらの記事が参考になりますと幸いです。