はじめに
流量は水槽を維持するのに大変重要なパラメータですが、実際の流量とカタログスペックには乖離があるポンプがほとんどです。VectraL1の流量データは日本で公開してくださっている方がおられましたが、Vectra L2の実際の流量が分かりませんでした。
汚れを取り除くためには、回転率は高い方がよいため、実測して、Vectraの流量を確認しました。
流量を測定したポンプの種類
Ecotech Marine社のVectra L2の流量を測定しました。カタログでは最大揚程6.5m、最大流量11500lph(l/h)の流量があるポンプになります。
測定環境
配管
VectraL2は日本規格のVP20塩ビアダプター(LSS研究所製)を使い、そのアダプターへの接続には内径25mmのホースを使っています。
接続の流れとしては以下のような感じです。
- Vectra L2 + VP20アダプター
- 内径25mmホース 50cm程度
- 水槽用クーラー(ゼンスイ ZRC-400B)
- 内径25mmホース 1m程度
- NeptuneSystems FMK FS-100 + 塩ビVP20
日本規格の塩ビVP20アダプターとEcotechMarine純正のアダプターの違い
排水用と給水用の各アダプターの写真です。どちらが排水か給水かは分からなくなってしまいました。このアダプターは日本の塩ビ規格に合わせるためのアダプターです。右側のEcotechMarine純正のアダプターは日本の塩ビと規格が合いません。
測定方法
NeptuneSYstems FMK にFS-100をセットし、流量を測定しました。FS-100は回転型の流量計です。
測定結果
出力vs流量、出力vs消費電力
青色が流量、オレンジが消費電力を表しています。消費電力は直線的な増加を示すことが分かりました。流量は30%前後までは直線的に増加していますが、30%以上では、どんどん増加量が少なくなっていきました。これはVP20の塩ビ接続にしていることで、出入り口が小さくなっていることも要因として考えられます。
最大出力で2300lph(l/h)、137Wになることが分かりました。
消費電力vs流量
こちらは消費電力と流量の関係性を確認したデータになります。
まとめ
私の予想より、VectraL2の流量はずっと多く、最大出力で2300 lph(l/h)の流量があることが分かりました。もともと使っていたマグネットポンプである三相電機社のPMD-1561Bの流量が3000 lphで消費電力が200Wであったことを考えると、流量自体は低下しましたが、問題ない結果と感じています。
測定結果を見て分かる通り、VectraL2の流量は出力を上げていくと、上り幅が小さくなることが分かりました。それに対して、消費電力はほぼ直線的に上昇することも分かりました。つまり、消費電力当たりの流量は減っており、効率は悪化しているということが言えます。
ただし、EcotechMarine純正のアダプターからVP20アダプターに変更しており、口径が小さくなっていることの影響は大きいことが予想されます。また、このような傾向はどのようなポンプでも見られるものでVectra特有のものではありません。
自由に出力を変更できるDCポンプの特性を生かし、状況に合わせてスマホにて簡単に設定変更できるのは大変魅力的です。これからメインポンプとして利用し、また気になる点が出てくれば記事にまとめたいと思います。
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