はじめに
目指したい水槽
海水アクアリウムとほぼ同じだが、豊かな種類の生体をたくさん飼えるような水槽にしたいと思っています。
個人的な感覚では海水魚に比べて淡水魚の方が混泳させやすいため、色々な種類の魚が飼いやすいです。色々な種類の魚を飼うということは、硝酸塩、リン酸塩が発生しやすい状況と思われますが、このような状況で黒髭苔の発生を抑制しつつ、出来る限り換水頻度を下げたいと考えています。
また、ネイチャーアクアリウムのように美しい水槽に出来ればベストではありますが、これは優先順位を下げた目標として余裕のある範囲でデザインしていきたいです。
デザインを最重要視すると奥行き感を出すために段差をつけたくなるところなんですが、これは後述の吹き上げ式がうまく機能させるのが難しそうなので、レイアウトは二の次で生体が元気で汚らしくなく、楽に維持できる水槽を目指します。
制約
海水アクアリウムの記事でも記載したとおり、海水アクアリウム濾過のキー装置はプロテインスキマーです。ただ、プロテインスキマーは淡水では役に立たないため使用できません。そのため、海水アクアリウムとは異なる設計が必要になります。
上記をどのようにして実現するか
プロテインスキマーが使用できないため、ある程度の換水は必須となってしまいますが、淡水なので海水と比較してずっと水の入手性は高いため問題はありません。
それよりも黒髭苔を如何にして発生させないかが重要であり、それは鉄くぎによって対応しようと思っています。
黒髭苔の発生さえ抑制できれば、後の手間は換水とトリミングと外部フィルターの清掃程度になります。底砂のデトリタスについては吹き上げ式底面ろ過により、できるだけたまらないように工夫します。
なぜ自作の吹き上げ式ろ過なのか
淡水アクアリウムではプロテインスキマーが使用できないため、特定の汚染物質の除去が非常に困難になります。
具体的には硝酸塩や、リン酸塩、糞、残餌などが除去できません。そのため海水に比べて水の入手が楽な淡水アクアリウムでは、一般的には水替えによって汚染物質を外に排出することになります。
ただ、硝酸塩やリン酸は水替えによって外に出せるのだが、長く水槽を維持しているとデトリタス成分が底砂に少しずつ溜まってきます。これが厄介でコリドラスのような底を生息域にする魚がいると、病気を誘発してしまうことがあります。
そこで、出来るだけ底砂にデトリタスがたまらないようにしたいため、今回は吹き上げ式濾過装置を自作することにしました。
工夫せずに外部フィルターを物理濾過特化にしたとしても、海水に比べて水の流れを抑えざるをえない淡水アクアリウムでは、どうしても下にデトリタスは溜まってしまうため下側から水で吹き上げて外部フィルターの除去能力を上げようという考え方です。
まぁ、海水アクアリウムでもデトリタスは少しずつ溜まるので、水流では完全な抑制は無理ということなのだと思います。
それなのに、なぜ自作なのか??についてですが、市販の底面ろ過用の器具もそこそこ安くてそこまで悪くないのですが、一つだけ気になる点がありました。それは、水流が以下の図のように手前から発生しており、これだと手前側の吹き上げが強くなってしまう恐れがありました。
そのため、以下のようにいったん管を通してから吹き上げることとしました。少しでも均一になってくれるのではという考えです。
鉄釘によるリン酸の難溶化
もう一つの淡水アクアリウムの課題として黒髭苔があります。
硝酸塩・リン酸塩がたまるとコケが発生しますが、その中でもリン酸塩がたまると出てくると推測される黒髭苔は生体での除去が難しく、また大変見苦しいため淡水アクアリウムの天敵です。
この黒髭苔の発生要因というのは、なかなか分からないことが多いですが、リン酸が原因の一つということは共通認識ということで批判はないかと思います。
そのリン酸対策としては、鉄釘を使用して難溶性のリン酸鉄にリン酸を変化させることで対策しようと考えています。
ただ・・・本当に難溶性のリン酸ができればよいのですが、調べたところ実際に難溶性のリン酸鉄になってくれるかが不明な点が心配です。
うちの水槽のPHは田砂で立ち上げてから少ししか経っていないこともあり、pH=7.5~7.8なのですが、このpHだとリン酸はHPO42-の状態だと推測されます。2価の鉄イオンであるFe2+と反応してFe3(PO4)2になってくれれば不溶性のリン酸鉄のため問題はないのですが、それ以外の錯体のようなものが形成されてしまうと、今後の水槽の状態によっては突然リン酸イオンとして放出されないかがを心配です。
まとめ
海水アクアリウムで取った手法は実績のあるものの組み合わせ方を変えただけなので、短期的には大きな失敗はなく長期的に見てどうか?という点のみが懸念です。
淡水の吹き上げ式ろ過の場合は過去に実績はあったようなんですが、現時点で調べたところは資料が見つからなかったため、やってみるまでは分からないですね。結果は随時報告できればと考えています。
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