【飼育記録】コモンサンゴを食べるミノウミウシの被害が発生

はじめに

今回はマリンアクアリウムの中でもサンゴ水槽に発生する、招かれざる客であるコモンサンゴを食害するミノウミウシについて、発見~駆除した際の記録です。

どのようなミノウミウシか?

以下の写真のような不気味な形状のうねうね動くミノウミウシです。このミノウミウシは水槽内で増殖します。最初は数匹でもあっという間に卵を産んで増えていきます。

大変に恐ろしいミノウミウシで、水槽内のコモンサンゴが全て壊滅させられることもあります。絶対に侵入を許してはいけないレベルの第1級有害生物です。

 

何故気づいたか?

写真のような白化が見られたためです。ところどころコケも付着し、このコモンサンゴのみこのようなコケの付着が発生するので、おかしいなと思っていました。

調子がおかしいのでずっと観察していたところミノウミウシを発見し、即座に取り出しました。

取り出してよく見てみると、白化にプラスして、奥の方まで共肉がえぐられているように見えますね。しかし、サンゴが作る細かな骨格は維持されたままで物理的な損傷時とは違っています。

 

駆除方法は?

英語のサイト、日本語のサイトなどを読み漁りましたが、基本的に物理的除去しかないということでした。導入時にCoral RX PROを使うことで90%程度とれるという記載もありましたが、すべて除去できるわけではないようです。

この記述を試すために、Coral RX PROを入れて見ましたが特に殺傷できるということではないようで、ウロチョロとコモンサンゴの上を徘徊しておりました。コモンサンゴを水中で振り回すことで取ることが出来ました。

 

侵入経路に関する考察

私の場合、コモンサンゴを買う場合はこのミノウミウシをかなり警戒して、20分程度は観察をして隅々まで付着がないかを確認します。今回のコモンサンゴは入り組んだ形状でもなく、導入当初はこの成体になったミノウミウシはいませんでした。

水槽導入後もしばらく観察していましたが、このウミウミウシは1ヵ月ほどは姿を現していませんでした。

ただし、1点気がかりな点があります。それは卵です。このコモンサンゴには、正体不明な卵が付着していました。非常に気になり、歯ブラシを使って除去したつもりでしたがいくらか残っていた可能性があります。

この卵が孵化し、ひっそりと成長を続け、1ヵ月ほど経った段階で成体となって徘徊しているところを発見したのだと予想しています。

 

物理的除去で水槽内から排除できたのか?

私の場合、サンゴをバラバラにして、見えない箇所を完全に無くしてから隅から隅まであらゆる観察をして卵や小さな生体がいないのか、徹底的に観察をしてから水槽に戻しました。

ライブロックの小さな隙間すら確認できるまでバラバラにしました。

その結果2年間上記ミノウミウシは確認されていませんので、水槽内からは除去できたと思います。

 

まとめ

コモンサンゴを買う場合、ウスコモン、エダコモン、コモン、全てのコモンサンゴにて水槽導入前に徹底的に確認をした方が良いと思います。

その際、生体だけではなく卵がないかも確認した方が良いと思います。卵1つ1つは小さいのですが、かなりの数を植え付けていましたので肉眼にて確認できました。触れば簡単に除去することができますが、卵1つのサイズが小さいので、除去は徹底的に行った方が良いと思います。

私の場合も除去したつもりで卵を除去できていなかった可能性があります。成体は徹底的に確認していましたので、100%ではないですが卵からの侵入と予想しています。

一度増えたら以下のような立派なウスコモンサンゴであっても全て食害されてしまいます。