水替えとは…?
アクアリウムの維持をしていくにあたって避けることが出来ないのが「水替え」。
名前の通り水槽内の水を取り替えることを指し、水槽をより良い形で維持していくには不可欠なことですが、なんとなく水を抜いて入れ替えるだけという方も多いのではないでしょうか。
何てことない作業ですが、この水替えをする際に少しのことを気を付けるだけで、水替えがより意味のあるものになり、水槽を長く維持していくことが出来るようになるのではと思います。
今回は我が家で維持している3つの淡水水槽(水量10L程度)の水替えの際に、気を付けていることや気が付いたことをご紹介していきたいと思います。
大きな水槽や海水水槽の場合は、方法や留意点も変わってくるため、あくまで小型の淡水水槽の場合として参考にしてもらえたらと思います。
淡水水槽の水替え手順
ざっくりとではありますが、我が家の淡水水槽水替えルーティンをご紹介します。
- 水槽壁面の苔をとる
- 水槽レイアウトの調整をする(水槽内の水草のカットや石についた目立った汚れの除去、滝レイアウトに使用しているチューブの掃除など)
- 水を抜く
- 新しい水を入れる
いつも上記のような形で水替えをしています。
水替えの頻度としては、我が家では1週間から10日に一度、水槽の3分の1から半分くらいを目安に水替えしています。
水替えの際に注意したいこと
次に、水替えの際に注意している事柄を、各手順にわけてご紹介していこうと思います。
アクアリストの方やお店の方によって、方法や注意点は様々なので、あくまで一例として参考にしていただけたらと思います。
水槽壁面の苔をとる
この作業は毎回最初に行っています。
理由は、苔をとると必ず水槽内が取れた苔などで汚れてしまいます。水を抜く際に苔や汚れも一緒に抜くことで、水槽内の水をきれいな水に換水できるためです。
壁面の苔取りは、見た目を美しく保てるだけでなく、水槽内の様子を常に観察しやすくするためにも必要なことだと思っています。水草や生体のちょっとした変化を見逃さないようにすると、病気や不具合などへの対処も早くなり、その分長く水槽を維持することが出来ます。
苔取り作業には以下のような道具を使っています。
- スクレーパー
スクレーパーは水槽専用のものも売っていますが、我が家で使っているのはOLFAの工具という感じのスクレーパー。水槽の右も左もわからない頃に、とりあえず!と近くのホームセンターで買ってきたのですが、これがなかなか便利でずっと使っています。ステンレスなので錆びにくく、しつこい苔もごっそりとってくれるのが良いところです。ただ、水槽専用ではないため先端がかなり鋭くなっています。取り扱いや、水槽本体への傷などには注意が必要です。
- GEX マグフィット フロート
GEXのマグフィットは小型で、マグネットになっているため水槽に常時くっつけておけることが最大のメリット。内側にマジックテープがついており、その摩擦で苔取りができます。スクレーパーとは違い、こすり取る感じなので苔取り威力としては弱めですが、毎日のちょこっと掃除にとても便利です。
水槽レイアウトの調整をする
これも水を抜く前に行っています。
苔取り同様、水槽内のレイアウトを整えたり、水槽内のチューブなどを掃除すると、どうしても汚れが出てしまいます。ですが、この後の水を抜く際に汚れも一緒に抜くことが出来るので、先にレイアウトの調整や細かい部分の掃除をするのがおすすめです。
底面フィルターの排水口なども水量が落ちていないか確認し、必要であればこの時に掃除をします。
レイアウトを決めてしまうと、後から動かしたり、やり直したりするのはとても大変です。
そのため、立ち上げ時にレイアウトをする際に、後から解体して洗いやすくしたり、石組みや水草の配置などを独立させて、手入れしやすくするとよいと思います。
水を抜く
レイアウトの調整や苔取りが完了したら、いよいよ水を抜きます。
抜く量は水槽の3分の1から2分の1程度でOKです。毎回水を抜きすぎてしまうと、水槽内のろ過微生物が育たないため、少なくとも半分は水を残すようにしています。
水を抜く際は以下のような道具を使っています。
- 水作 プロホース エキストラ M
我が家では水抜きの際にプロホースは欠かせない道具になっています。水槽底面に敷いた砂や石の部分に給水口を突っ込むことで、水を抜くと同時に水槽底面に溜まった汚れや魚のフン、食べ残しの餌などを吸い取ることが出来ます。
水替えの際にはこれを毎回行って、少しでも水槽内の汚れを外へ出すよう心がけています。そのため、我が家では水槽底面に接するものは常に動かせるようにレイアウトを行っています。
ただ、このホースはサイフォンの原理を利用して水を排水するため、水を抜く水槽と排水側の容器にはある程度高低差が必要です。
- 水作 クイック水替えポンプ
クイック水替えポンプは少ない高低差でも簡単に水を抜くことが出来る便利なホースです。ポンプ部分を一度ポシュっとするだけで水が抜けるため、力がいらず、楽に水を移動させることが出来ます。とても楽である反面、中に大きな石などを通さないための弁などがついていないため、砂や底石などを吸ってしまうと詰まってしまいます。底面に溜まった汚れを吸い出すには不向きですが、新しい水を入れる際やとりあえず水を抜きたい!というときには便利なホースだと思います。
新しい水を入れる
水が抜けたら新しい水を入れます。我が家では淡水水槽の場合は水道水を使っています。
水を入れる際は水槽内の底材が舞い上がったり、レイアウトが崩れてしまうのを防ぐため、レイアウトの大きな石を伝わせたり、自分の手を入れて水を伝わせるなどして、勢いよく水を入れないようにしましょう。
新しい水を入れる際は以下のような道具を使っています。
- デジタル温度計
水を入れる際は必ず水温を測るようにしています。デジタル温度計は計測に時間がかからないため、とても便利です。水の温度が大きく変化してしまうと、水槽内の生体に大きな負荷がかかってしまう為です。水を抜くという作業自体、お魚にとってはゴミなどが舞い上がったり、水質が変化したりと辛い状況のため、なるべくストレスが掛からないようにしたいところです。普段設定している水温の+0.5℃~-0.5℃くらいになるように調節しています。
- テトラ コントラコロライン(カルキ抜き)
カルキ抜きは水道水を使用する場合は必ず行います。お魚にとっては水道水内のカルキはとてもつらいものです。少量を溶かし込むだけの簡単作業なので、必ず行いましょう。あらかじめカルキを抜いた浄水などを使う場合は、カルキ抜きは必要ありません。
水替えは大切なメンテナンス作業の一つ
水替えは水槽を維持するうえでは避けられない作業の一つです。地味に時間もかかりますし、水槽の数や大きさが増えれば増えるほど「面倒だ」「大変だ」と感じてしまいやすいことだと思います。
しかしながら、水槽内の水を良い状態に保つためには、ろ過フィルターだけでは限界があります。ただ水を入れ替えるだけでなく、ごみを取ったり、水草の手入れをしたり、壁面の掃除をしたりと「ひと手間」を加えることで、より意味のあるものになると思います。また、そうすることで、水槽内を観察する時間が増え、ちょっとした変化にも早い段階で気づくことが出来るようになります。
水槽という小さな世界でお魚たちに快適に過ごしてもらうためにも、日々のちょっとした手入れや気付きが、長く美しく水槽を保つことに繋がります。この記事を参考に、水替えをより意味のあるもの、そして大切なものだと思っていただけたら幸いです。
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